【連載】これぞうまい店

Column.01

コラム 店の名は…

13.11.14

店名が面白い店は、オーナーなり、シェフなりに、「オリジナリティーを出したい」、「一発で覚えて欲しい」という意図や、「遊び心」が感じられます。ありきたりな名前の店よりも、話のネタとして、扉を開けるのも一興だと思います。
今は、残念ながらなくなりましたが、
○串カツ「砂かけばばあ」
と言う店が大阪にありました。インパクト大でした。お店を手伝っていたご主人のお母さんが、妖怪、砂かけばばあに似ているから…という理由でした。残念ながら未訪問でしたが。
○中華料理「味の元」
銀座8丁目にあります。怖いもの見たさ?で入ってみたくなります。「素」と「元」の違いはありますが、ズバリなネーミングですね。
○日本酒専門店「燗の美穂」(かんのみほ)。
やさしい女性がカウンター内で燗酒をサービスしてくれるそうです。この店は、「いつか行く店リスト」に入っています。
○洋食「ごめんねジロー」
この店は、僕の「うまい店」です。コストパフォーマンスも最高。街の洋食屋さんとして、最高ランクだと思います。
○手羽先居酒屋「手羽一郎」
も最初看板みたとき、笑ってしまいました。

店名が、面白い店。
いずれにしろ、1回聞いたら忘れられない、インパクトがあり、
「面白くてうまい店」である可能性もあるので、僕はリスト化して、いつか行こうと思っています。
大阪の街を歩いていると、店の名前を見て、とつぜん、笑ってしまうことがあります。
スナック「でもどり」
思わず、扉を開けたくなります。どんな人がいるんでしょう。
スナック「ブスの店」
も同じく、扉をあけたくなりました。
今はなくなりましたが、鉄板焼きの店で、「やきやきBUSU(ブス)」という店もありました。2回行ったのですが、店の人は、ちょっとぽっちゃりしてはいましたが、そんなにブスではなかったと思います。味の記憶は定かではありません。
京都には、看板に大きく「ヘタな表札屋」と書かれた表札屋さんもあります。
この4軒とも、普通ありえない、自虐的で、意外性がある店名なので、
すぐに覚えてもらえますし、店名だけで、客を獲得できる可能性があると思います。
名は体を表す。店名も体を表す。
と思います。
どういう店でありたいか。理想とするイメージ。料理やサービスのコンセプト
好きな「コト、モノ、ヒト」
など、店名にも、オーナーなり、シェフなり、その店に深く関わる人の思いや、世界観を表現できている店が、「うまい店」である可能性が高いと思うのです。
逆に言うと、反映させていない店は、もともと世界観がない、よく考えていないと言えます。
もしあなたが、飲食店を開くことになったら、店の名前をどう決めますか?何でもいいや、適当につけようとは、思わないでしょう。いろいろ考えて、自分の思いを込めるはずです。
カタカナ、外国語由来の店名は、調べてみると、思わぬ発見を楽しめて、勉強にもなります。
行ったことがある店で、その意味が、なるほど、その店を表現していると思った店名をご紹介しましょう。

漢字でも、語感も、文字面もいいなあと思う店名もあります。

「時分時」(じぶんどき お好み焼き 鉄板焼き 大阪南久宝寺町)
「生粋」(きっすい 鮨 神戸 摂津本山)
「石頭楼」(すーとうろう 石頭火鍋 東京 白金)
「金蔦」(きんつた 炊き肉鍋 福岡 中央区)
「総大醤」(そうだいしょう ラーメン 大阪 天神橋六)